分野遺産分割

無効な遺言の死因贈与への転換がなされた事例

分野遺産分割

  • 夫を亡くされた妻が相談に来られたのですが、夫婦で、互いにいずれかが先に亡くなったら、他方に全ての財産を贈与する旨の書面を作成されていました。
    本文はワープロで作成し署名のみ自筆で作成していたため、自筆証書遺言としては認められないものでした。また、同一の書面に夫婦2人が署名を連記していたため、共同遺言となってしまい、この点でも遺言としては認められないものでした。
    もっとも、文言及び体裁から、遺言としては認められなくても、死因贈与としては認められる余地があるとして、当該書面が死因贈与契約書であることを前提として、家庭裁判所に対して死因贈与の執行者の選任の申立てを行い、当方が執行者に選任されました。
    その後、執行者として、死因贈与であることを前提として、相続登記申請、預貯金の払い戻し、株式の名義変更などを行い、全ての遺産の承継手続を完了させました。