信託はどのように設定しますか

1 信託とは

「信託」とは、受託者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいいます(信託法2条1項)。

信託の基本的な構造は、委託者が受託者に財産を譲渡し、受託者が一定の目的に従って受益者のために当該財産の管理や処分を行うというものです。
ここで特徴的なのは、信託の目的を定める必要があるということです。
この信託の目的は、受託者がどのような行動をとるべきか従うべき指針と考えられており、目的の達成や不達成の確定が信託の終了事由になったり(信託法163条1号)、信託の変更の要素にもなっています(信託法149条)。
遺言信託や遺言代用信託では、「受益者の安定した生活の支援と福祉の確保」などと定められることが多いと言えます。

2 信託の設定方法

信託の設定方法には、以下の3つの方法があります。
①信託契約
②遺言信託
③自己信託

3 信託契約

信託契約とは、委託者と受託者との間で、受託者に対し財産の譲渡その他の財産の処分をする旨並びに受託者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約をいいます(信託法3条1号)。

相続や高齢者に関する信託契約としては、遺言代用信託や後見を支援する信託が考えられます。

4 遺言信託

遺言信託とは、受託者に対し財産の譲渡その他の財産の処分をする旨並びに受託者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法による信託をいいます(信託法3条2号)。

遺言信託は、遺言ですので、民法の遺言の規定に沿って作成する必要があります。

5 自己信託

自己信託とは、受託者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書等で当該目的、当該財産の特定に必要な事項等を記載する方法による信託をいいます(信託法3条3号)。

6 3つの方法の違い

信託契約と遺言信託とは、方法が契約によるか遺言によるかの違いだけです。
この違いゆえ、信託契約では、受託者があらかじめ信託内容を理解し了解しているのに対し、遺言信託では、受託者が信託内容をあらかじめ知らない可能性があるということになります。
自己信託は、委託者と受託者が同一である点が、他の信託とは異なります。


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