相続税の納税義務者は誰か

相続税の納税義務者は、原則として、相続又は遺贈により財産を取得した個人です。
相続人が日本人で日本に居住している場合には特に問題ありませんが、日本国籍がない場合などには問題になります。
一般に、納税義務者については、以下の4つの類型に分けて考えられています。

 

居住無制限納税義務者
相続又は遺贈(死因贈与も含む)により財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの
→相続又は遺贈により取得した財産の全部に対し、相続税が課せられます。

相続人が、通常日本で居住して生活している場合には、この居住無制限納税義務者に該当します。外国人であっても、日本で居住して生活している場合には、これに該当します。
この場合、日本国内の相続財産のみならず、海外の相続財産についても相続税が課せられます。

 

非居住無制限納税義務者
相続又は遺贈(死因贈与も含む)により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの
イ 日本国籍を有する個人(当該個人又は当該相続若しくは遺贈に係る被相続人(遺贈をした者を含む)が当該相続又は遺贈に係る相続の開始前五年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがある場合に限る。)
ロ 日本国籍を有しない個人(当該相続又は遺贈に係る被相続人(遺贈をした者を含む)が当該相続又は遺贈に係る相続開始の時においてこの法律の施行地に住所を有していた場合に限る。)
→相続又は遺贈により取得した財産の全部に対し、相続税が課せられます。

少しわかりづらいですが、
イの場合とは、相続人が日本国籍を有する場合で、相続人か被相続人のどちらかが5年以内のいずれかの時において日本に住所を有していたことがある場合がこれに当たります。
ロの場合とは、相続人が日本国籍を有しない場合で、被相続人が相続時に日本に住所を有していた場合がこれに当たります。
被相続人が日本人で日本に居住しているが、相続人が海外に行って日本国籍を有していなかったり、海外生活が長い場合などがこれに当たります。
この場合、日本国内の相続財産のみならず、海外財産についても相続税が課せられます。

 

制限納税義務者
相続又は遺贈(死因贈与も含む)により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(前号に掲げる者を除く。)
→相続又は遺贈により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、相続税を課する。

これもわかりづらいですが、
相続人が相続財産取得時に日本に住所を有しない場合であって、非居住無制限納税義務者に該当しない場合、すなわち以下の場合がこれに当たります。
イ 相続人が日本国籍を有する場合で、相続人も被相続人も5年以上日本に住所を有していない場合
ロ 相続人が日本国籍を有しない場合で、被相続人が相続時に日本に住所を有していなかった場合
この場合、日本国内の相続財産に対し、相続税が課せられます。
このように、仮に外国人であっても、日本国内の相続財産に対しては、相続税が課せられます。

 

特定納税義務者
相続又は遺贈により財産を取得しなかったもので、相続時精算課税の適用を受ける財産を贈与により取得していたもの
→相続時精算課税の適用を受けた財産について相続税が課せられます。


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