団体等が相続税の納税義務者になる場合とは

相続税の納税義務者は基本的には個人です。

しかしながら、団体等が被相続人から遺贈や死因贈与を受けた場合、相続税の納税義務者になることがあります。

 

団体等が納税義務者になるのは、具体的には以下の場合です(相続税法66条)。

 

①代表者又は管理者の定めのある人格のない社団または財団に死因贈与又は遺贈があった場合、当該社団又は財団を個人とみなして相続税が課せられます。
人格のない社団又は財団を設立するために死因贈与又は遺贈がなされる場合も同様です。

人格のない社団とは、組合契約による組合などを指します。

 

➁持分の定めのない法人に対し死因贈与又は遺贈があつた場合において、当該死因贈与又は遺贈により当該死因贈与又は遺贈をした者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税の負担が不当に減少する結果となると認められるときには、当該法人を個人とみなして相続税が課せられます。

持分の定めのない法人とは、出資者に残余財産の分配請求権や払戻請求権がない法人等をいいます。

相続税の負担が不当に減少する結果となると認められるときというのは、以下のいずれかに該当しない場合をいいます(相続税法施行令33条3項)。
逆に言えば、相続税の納税義務者にならないためには、以下のいずれにも該当する必要があります。

 

一  その運営組織が適正であるとともに、その寄附行為、定款又は規則において、その役員等のうち親族関係を有する者及びこれらと次に掲げる特殊の関係がある者(親族等)の数がそれぞれの役員等の数のうちに占める割合は、いずれも三分の一以下とする旨の定めがあること。
イ 当該親族関係を有する役員等と事実婚の関係にある者
ロ 当該親族関係を有する役員等の使用人及び使用人以外の者で当該役員等から受ける金銭その他の財産によつて生計を維持しているもの
ハ イ又はロに掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの
ニ 次に掲げる法人の役員又は使用人である者
(1) 当該親族関係を有する役員等が会社役員となつている他の法人
(2) 当該親族関係を有する役員等及びイからハまでに掲げる者並びにこれらの者と特殊の関係のある法人を判定の基礎にした場合に同族会社に該当する他の法人
二  当該法人に死因贈与若しくは遺贈をした者、当該法人の設立者、社員若しくは役員等又はこれらの者の親族等に対し、施設の利用、余裕金の運用、解散した場合における財産の帰属、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給、役員等の選任その他財産の運用及び事業の運営に関して特別の利益を与えないこと。
三  その寄附行為、定款又は規則において、当該法人が解散した場合にその残余財産が国若しくは地方公共団体又は公益社団法人若しくは公益財団法人その他の公益を目的とする事業を行う法人(持分の定めのないものに限る。)に帰属する旨の定めがあること。
四  当該法人につき法令に違反する事実、その帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装して記録又は記載をしている事実その他公益に反する事実がないこと。

 

なお、上記法人等が相続税を課せられる場合、相続税額から、法人税等相当額は控除されます(相続税法66条5項)。

 

また、通常の株式会社等が、被相続人から遺贈や死因贈与を受けることもできます。
この場合、株式会社は相続税の納税義務者ではないため、相続税を負担する必要はありませんが、取得した相続財産については、法人税等が課せられます。


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