被後見人が死亡した場合、後見人はどのように対応したらいいですか

1 被後見人が死亡した場合の後見人の事務

被後見人が死亡した場合、後見の必要がなくなるため、後見が終了することになります。
しかしながら、後見終了にあたって、以下の各種手続を行う必要があります。
①家庭裁判所への報告
②終了登記の申請
③後見の清算
④財産の引渡し

2 ①家庭裁判所への報告

まずは死亡診断書の写しまたは死亡の記載のある戸籍謄本を添付して、家庭裁判所に報告を行います。
また、専門職後見人の場合には、後見の清算を行う過程で、家庭裁判所に後見人の報酬付与の申立てを行います。
さらに、清算事務や財産の引渡しが完了したら、後見事務終了報告書を作成のうえ、家庭裁判所に提出します。

3 ②終了登記の申請

法務局に後見終了の登記の申請を行う必要があります。

4 ③後見の清算

被後見人の収支を明確にしたうえ、財産の現在額の計算を行います。
この計算は、被後見人が死亡してから2か月以内に行う必要があります。

5 ④財産の引渡し

相続人に、被後見人の財産を引き継ぐ必要があります。
後見人としては、相続人が複数いる場合にも、いずれかの相続人に財産を引き継げばよいものと考えられていますが、相続人間の紛争に巻き込まれるおそれがあります。
そこで、実務上は、相続人全員の合意によって代表者を選定してもらい、その代表者に引き継ぐ方法がとられることもあります。

相続人がいない場合には、後見人は、家庭裁判所に相続財産管理人の選任申立てを行い、選任された相続財産管理人に対し、被後見人の財産を引き継ぎます。
身元不明で連絡がつかない相続人しかいない場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立てを行い、選任された不在者財産管理人に対し、被後見人の財産を引き継ぎます。

6 死後事務について

被後見人の死後事務について、後見人が関与を求められることがありえます。

①葬儀費用

葬儀は、被後見人に親族がいれば、親族が葬儀を主宰するのが通常です。
そして、葬儀費用についても、原則としては、主宰者が負担するものとされています。
したがって、後見人が管理する財産から、葬儀費用を支出することは、原則としては望ましいものとは言えません。
しかしながら、被後見人の財産は、相続人全員の財産ともいえるため、相続人全員の町会がある場合には、後見人が管理する財産から葬儀費用を支出することも許されると考えられています。

②埋葬

埋葬も、被後見人に親族がいれば、親族が行うべきものです。
被後見人に身寄りがいない場合には、まずは市町村に相談することが考えられます。

③未払医療費等

被後見人の死亡により、死後に医療費や施設利用料が請求されることなどがありますが、このような確実な債務については、後見人が清算を行うことも可能と考えられています。
一方、額が大きかったり、内容の精査が必要な債務については、相続人が対処すべき問題と考えられています。


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